2010.06.01

iPadは大画面化で失敗する

 iPadはその画面の大きさから、ノートPCの置き換えを狙っているようです。ノートPCとの比較で考えるなら、iPadの致命的な欠陥は、その最大の特長である操作性にあると思います。

 タッチ操作そのものは非常に先進的で、大変快適のようです。これは操作の動画からわかります。

Apple「iPad Wi-Fi/32GB」速攻レビュー 操作動画(PC Watch)
Apple「iPad Wi-Fi/32GB」速攻レビュー ~家庭では、もうPCは不要!?(同)

 しかし、何をするにも、画面をタッチする必要があります。iPodなら指先の移動で可能なところが、iPadでは画面の離れたところをタッチするために、腕全体を動かす必要がでてきてしまっています。これは大きな問題です。

 一般のユーザーでも、店頭で操作すれば、画面サイズが9.7インチの今でも、これにすぐ気が付くと思います。

 一方、ノートPCではマウスを少し動かしただけで、画面全体を操作できます。マウスを動かさず、ホイールでスクロールができます。手首から先を動かすだけです。

 このiPadの操作性の問題は致命的であり、改善することはiPadのコンセプトを否定することになるため不可能でしょう。

 iPadは文字が小さくて見にくいと言われているようですから、今後、大画面のものが出てくるでしょう。その時はさらに操作範囲が広がり、この問題が一般に認識されることになると思います。

 広告戦略や価格戦略をうまくやってブームを起こしたとしても、使い勝手が悪ければやがてブームが去ります。何をもって失敗とするかは見方によるでしょうが、「家庭では、もうPCは不要」とまで期待された商品としては、大いに期待外れで、結果的に失敗だったという評価が下されることになるのだと思います。

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2005.01.15

「ユビキタス」はセキュリティ問題とプライバシー問題で崩壊か?

Webのニュースをずっとたどっていったら、1年以上前のこんな記事を見つけました。

「ユビキタス時代の到来でもっとも危険にさらされているのが個人のプライバシーなのである。」

ということで、JRのSuicaがソニーのPDA「クリエ」を使うと、乗車履歴が表示されることを実演しています。

あれ? Suicaって暗号化されていないのでしょうか? ちょっとびっくりしました。
これだと、混雑した車内で、見知らぬ人に乗車履歴を調べられてしまう可能性があります。特に若い女性の履歴なら、安全上問題です。

考えてみれば、無線でデータ通信をしているのですから、よほど厳重に暗号化しないと、盗聴、なりすまし、改ざん、といった被害を受ける可能性があります。

ETC、RFID(無線ICタグ)も同様に疑ってかかるほうがいいと思います。
・暗号化されているか?
 (暗号化にはコストがかかりますので、RFIDはされていないかも)
・読み取り装置がどこにあるか?
 (いろいろなところにあると、それぞれの地点でデータが通信されます)
・どのくらいの距離で読み取られるか?
 (何メートル離れても読み取れるなら、どこで読み取られるかわかりません)
をチェックし、セキュリティ上、プライバシー上問題がありそうなら、使わないようにするのがいいと思います。

「ユビキタス」には無線通信がなくてはならないものと思いますが、セキュリティやプライバシーでユーザーに不安を与えるようでは、将来は暗いと言えるでしょう。

私もそのうち、Suicaをやめようと思います。

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2004.12.30

「ポストPCのパラダイム」とは

AV watchの東芝関連のニュースを見ていたら、9月28日のニュースで気になるキーワード「ポストPCのパラダイム」を見つけました。東芝の人が言うには、

「ポストPCのパラダイムが始まった。今後は、コンテンツホルダ/プロバイダとの協業による新しい映像文化の創造が非常に重要になる。」
「映像ネットワーク時代の中心は、コンテンツになる。これをいかに安く、早く、安易に届けられるかが非常に重要となる。そのため、著作権保護、課金システムの強化や、コンテンツホルダとの共存を目指していく」

とのことです。

PCの終焉はあり得ないと思うのですが、なんとしてもPCを終焉させたい人たちがたくさんいるようです。それは、家電メーカー、コンテンツホルダ/プロバイダ、著作権管理団体であり、PCのように何にでもなり、自由にコピーできる装置が存在しては困る人たちです。

「PCはなくなる」と予想するのは、願望として「なくなって欲しい」と言っているのであって、「論理的に考えればなくなるはずだ」ということではなさそうです。

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2004.12.26

最新プリンタはPCがなくてもいいように設計されているようです

ヘッドの調子が悪いせいか、カラー印刷ができなくなってしまい、修理でお金をかけるよりは、ということでプリンタを買い替えることにしました。スキャナ、メモリカードスロットがついた複合機です。

このプリンタをみると、ここ数年間の技術がどういう方向で進歩しているかがわかるような気がします。以前はパソコンの周辺機扱いで、パソコンがないと使えなかったのですが、このプリンタはスタンドアロンでコピー、デジカメプリント、フィルムスキャンができるようになっています。

マニュアルの「パソコンで使う」の章は、いきなり「電子マニュアルの見方」から始まっています。まるでパソコンとつないで使うほうが特殊な使い方であるかのような書き方です。

このようなPC不要の装置が増えてきたために、「PCがなくなる」と言う人が増えたのでしょう。

これまではPCが汎用品であるがゆえに、プリンタ、デジカメ、スキャナのホストをたまたまやっていただけであり、それらの装置が独立して動けるようになればPCから離れていくのは仕方がないことだと思います。

PCとしては、あたらしい使い道を提案できればまだ伸びるし、提案できなければ、ジリ貧になるのでしょう。しかし、ジリ貧になったからといって、一気に「PCがなくなる」ということはありえないでしょう。

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2004.12.23

果たして「PC中心時代の終焉が始まる」のでしょうか

CNET Japan 森祐治さんのコラム「PC中心時代の終焉が始まる」を読みました。

IBMがPC事業をレノボに売却したことは、PCがIT産業の中核である時代が終焉を迎えつつあることを意味すると言っています。

果たしてそうでしょうか。

IBMの事業売却は、利益を最大にするという経営者の判断によるものです。PCがIT産業の中核にあり続けるかどうかは、技術やコストの問題です。したがって、両者は直接には関係ないはずです。

売却の理由をまとめると、
・PC事業単体の負債がかなりあり、なんとかしたかった
・利益がでないために全体の利益率を下げてしまい、株主からの評価が低くなる
・高く買ってくれる会社が現れた
・PCがコモディティ化し、他社PCをIBMのシステムに組み込んでも問題ない
というだけであり、ポストPCをにらんだ戦略などではないと思います。現時点でポストPCが存在しないのですから、あったとしても言い訳用の戦略だと思います。


森さんは、PCの後を継ぐものとして、CELLを挙げています。「サーバとPCを飛び越した各種アプライアンスが物理的ネットワークを介して直接的に協働することが可能」とのことですが、そんなにうまくいくのでしょうか。

PCとは、汎用コンピュータであり、CPU、プログラムメモリ、入出力装置を持つものと定義されます。現在のPCの優れている点は、キーボードやマウスなど使いやすい入力装置が自由に接続でき、大画面の液晶ディスプレイと、ウィンドウシステムが大量の情報を自由自在に表示できることです。

CELLでこれと同じことができるアプライアンスを作っているうちに、「これなら、売っているパソコンを買った方が早いよ」ということになってしまうような気がします。

数年前に、PCがすべてケータイに置き換わるというような話があったような気がしますが、結果はそうなりませんでした。まずはその判断ミスの検証からすべきです。それとも、未来を予測する人は過去のことは気にしないのでしょうか。

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2004.12.22

IBMが中国LenovoにPC部門を売却

発表から2週間ほどたってしまいましたが、これについて考えてみました。

今のWindows PCはもともとIBMが生み出したものです。その本家がPC部門を売却するということで大きなニュースとなりました。

確かにPCは利益の薄いビジネスです。先進国では今後、伸びが期待できず、かといって途上国でのビジネスは中国メーカーとの競争でこれも利益が望めないということで、価値のある今のうちに売却して利益を確保しようという発想はわかります。

しかし、要素技術のノウハウがなくなってくると、それを生かしたシステム提案ができなくなり、競争力が弱まるような気がします。PCは次世代技術を試す場所であり、PCを捨てることは、次世代技術がよくわからなくなってしまうことを意味すると思います。

この決断の結果は、おそらく10年以上先に出ることになるでしょう。それまでは利益が伸びて、IBMのトップの評価は高まるかもしれません。その先はマイナスの影響がでてくるかもしれません。

日本では富士通や東芝のトップがすぐにPCビジネス継続の表明をしています。日米の考え方の違いがはっきりとでている感じです。

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