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2010.01.02

国の借金はいくら増やしても大丈夫なわけがない

 最近、国の借金はいくら増やしても大丈夫と考えている人が少なからずいるようです。常識的には、何かの投資にともなう借金なら大丈夫ですが、ただ使ってしまうだけなら問題です。それは借主が政府であっても同じです。


「政府紙幣でもなんでもいくらでも刷って、一気に債務帳消すればいい」

 ->それができるなら国債発行の意味がありません。日銀も不要で、政府が好きなだけ口座に振り込めばいいのです。でもそれでいいのでしょうか。そうやって得たお金に価値はあるのでしょうか。

「日銀が国債をいくらでも引き受ければいい。」

 ->円が信認を失っていいのでしょうか。これも極論でしょう。
 日本銀行が国債の引受けを行わないのはなぜですか?(日銀HP)

「もっと借金を増やせば日本の財政の信認が落ち、円安になり景気が回復する。」

 ->国債の信用が落ちて円安になるとは限りません。金利が上がるから円高になるかもしれません。

「まだ金利が低いのはもっと借金できる証拠。」

 ->それはその通りですが、借金できるからしていいというものではありません。返せそうにもない借金はすべきではありません。

「家計資産、法人資産を加えた日本全体では十分黒字。」

 ->それはその通りですが、国の借金と個人、法人の資産は別会計です。税金など、なんらかの方法によって資金を移動させなければなりません。新しい税金には法律の新設が必要で、ハードルが高いです。

「国の借金は自民党が作った。」

 ->だからといって民主党はもっと増やしていいはずがありません。

「小泉内閣時代に国債発行残高が急増した。」

 ->これは隠れ国債を表に出したからです。あれだけ公共事業を減らし、景気がよくて国債が急増したはずがありません。

「資本主義は限界。個人資産に上限を設けるべき」

 ->北朝鮮のような国にしたいのでしょうか。いまちょうど北朝鮮でこれをやっています。どんなことになっているか見たほうがいいでしょう。


 実際に長期金利が3パーセントくらいになって、どんなに大変なことがおこるか見てみないとわからないのかもしれません。そのときは株価全体が下がり、国債をたくさん保有している銀行の株価はもっと下がるでしょう。660兆の3パーセントは20兆円です。22年度の元利支払いが20兆円です。増税をするのか、短期国債でつなぐのか、やりくりが大変になるでしょう。

 自分の国の通貨の信用をなくさせ、円安にさせ、インフレを起こして借金をチャラにしようという考えはどうみても正しいとは思えません。なぜそこまでして国をあてにしようとするのでしょうか。

 現状維持のために借金に頼っていては、将来の落ち込みが大きくなります。高齢化と少子化で日本経済が縮小するのは明らかなのですから、落ち込みをできるだけ小さくする戦略が必要です。国債発行残高を適正規模まで縮小させ、将来に渡って金利を絶対に上げさせない努力が必要です。そのためには今のうちにある程度落ち込ませるほうがいいかもしれません。

 借金したら返す、必要でも過大な借金はしない、というあたりまえの常識が日本社会から失われているようで、非常に残念なことです。

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