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2009.02.10

郵政民営化「見直し」騒動にみる「見直し」の意味のずれ

 会社で「○○を見直す」という場合は、方針が変わるという意味で使われます。だから、「郵政民営化を見直す」ということは、郵政民営化をやめる方向で検討するという意味になります。おそらく、政治や行政の分野でも同じだと思います。

 しかし、広辞苑を見ると、そういうニュアンスはありません。

 1)改めて見る。もう一度見て誤りを正す。例)「答案を見直す」
 2)それまでの見方を改める。前に気づかなかった価値を認める。
  例)「彼の人柄を見直した」

 1)は、麻生首相が使っている意味です。2)は、いい意味で使っています。

 「見直し」が180度の方針転換を意味するというのは、私が会社に入ってだいぶ経ってから知りました。「○○を見直す」という表現は、従来合意していたはずの条件・前例を、大きく変更する場合に、遠まわしにやわらげる言い方として使うようです。

 取引先に「現行の価格条件、契約内容を見直しさせていただく」などと言えば、かなりのおおごとです。もし受けてもらえなければ、取引を他社に切り替える可能性をも含む、非常に強い表現になります。

 麻生首相がこの意味を認識していないはずはないので、この表現を使ったのは、かなり不注意だったと思います。

 とはいえ、首相の真意はどうなのか、民営化をやめて国有に戻すのかなど、もっとつっこんだ報道が最初にあってもよかったのではないでしょうか。首相の真意は、「もともと民営化には疑問を持っていたので、法律の規定通りに改めて現状を精査し、改善すべきところは改善するべきだ」といったところでしょう。これなら何の問題もないと思います。

 マスコミが、言葉尻をとらえ、ふくらませて批判記事を書くのが習慣になっていることも問題だと思います。その記事に対して首相が「真意は違う」とコメントし、さらにそのコメントに対して同じような記事が繰り返されていきます。国民は聞いていてイヤになります。首相とマスコミがきちんとコミュニケーションできていない、というのが非常に残念です。

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