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2008.11.25

日本語は亡びない

 梅田望夫氏が、ブログで水村美苗著「日本語が亡びるとき…」を絶賛したところ、、ブログ読者から批判的なコメントを書かれ、梅田氏が「バカなものが多い」と反応して炎上した、ということがありました。
 水村美苗「日本語が亡びるとき」は、すべての日本人がいま読むべき本だと思う。(梅田氏のブログ)
 梅田望夫、はてブ「バカ多い」 賛否両論殺到してブログ炎上(J-CASTニュース)

 この本のタイトルは「日本語が亡びるとき」ですが、これは本を売るための題名であって、内容は梅田氏が言っているように、英語が「「書き言葉」として人類の叡智を集積・蓄積していく「普遍語」になる」というもののようです。

 もう少し詳しい内容が、池澤夏樹氏の書評にあります。
 今週の本棚:池澤夏樹・評 『日本語が亡びるとき…』=水村美苗・著(毎日.jp)

 これを読むと、日本語で小説を書きにくくなっているという、ずいぶん限定された話のようです。それはそうでしょう。少子高齢化で、日本語の小説を読む人の数が減ることは、容易に予想できることです。

 書評に対して、その本を読まないでコメントするのは、いけないのでしょうか。読んでしまったら、その書評は目的を達成したことになります。これらの書評を読む限り、この本を読んでみようとは思いませんでした。

 日本語が亡びるかと問われたら、そんなことはないと自信を持って言えます。世界中の人に聞いてみてもそう答えるでしょう。日本語より前に亡びるはずのマイナーな言語がたくさん残っており、日本語の消滅はそれらのあとになるはずだからです。

 では、日本語がなくならないとしても、衰退するは間違いないのかと言われると、そうとも言い切れないと思います。日本語ブログの数が英語のブログを超えたとか、フランスでは英語の使用を制限する議論があるが、日本にはないとかがその理由です。

 さらに、英語の世紀であるにもかかわらず、幼児から大学院まで日本語による教育が充実しているというのは、なかなか恵まれた環境だと思います。

 とはいえ、恵まれているがゆえに、英語の世界に対するアクセスがうまくできていないのは確かです。日本人が、当面必要でないように思われる英語にどう取り組むか、という議論は大いにやるべきだと思います。

 日本人はもっと多くの人が英語を聞き、話せるようになるべきで、日本の情報を英語で発信するべきだというのが、結論ということになるでしょうか。この本の最後の章にも英語教育論があるようで、この本ではそれが言いたかった、ということではないでしょうか。

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コメント

水村の言う「日本語が亡びる」とは、(ほとんどの)日本人小説家が、日本語ではなく英語(普遍語)を使って小説を書く時代がくる、ということだ。これを誤解して、日本列島から日本語が消える!と考えている論者が多いようだ。水村の言い方も誇大すぎるが(作家だから仕方がないか)。
水村は、現地語=母語としての日本語は残る、言っている。母親は日本語で子供を育て、学校でも、市役所でも日本語が使われる。ただ、日本人小説家が英語を使って小説を書きはじめる。。村上春樹が英語で小説を書きはじめる(翻訳によるのではなく。フランス語や中国語、韓国語への翻訳は英語から行われる。。)。

これは想定の話だから反論はできない。金谷のように、現状、日本文学のフランス語への翻訳がこんなに多い!と、羅列しても反論にはならない。そのうち(100年後?)英語=普遍語で小説を書き出す可能性が高い!と水村は主張しているのだから。

逆に、わたしは、日本人小説家が英語で小説を書き出してなにがまずいの?と問いたい。コンラッド(ポーランド人)が英語で小説を書き、リービ英雄(母語は英語)が日本語で小説を書くようなものだ。必然性がアレバ小説家は母語以外の言語を選んで小説や詩を書く。それだけのこと。インターネットが普及し、英語が普遍語になった!よっしゃ!おれも英語で一発当てよう!と小説家は考えるのかもしれない。

将来、日本人が英語で小説を書きはじめることを、「日本語が亡びる」と騒ぐのは非文学的である、とは言えよう。なぜ、母語で小説を書く場合が多いのか(おおむかし、西洋の文人は普遍語=ラテン語で哲学小説詩歌、を書いた。文字のなかった日本人は万葉仮名を使った)。

投稿: 古井戸 | 2010.03.30 11:15

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