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2006.12.31

「2007年 長谷川慶太郎の大局を読む」を読みました

 2006年版での予想で外れたものは、「ポスト小泉は小泉しかいない」、的中したものは、「原油急騰はゆるやかながら歯止めがかかる」です。「中国は解体・消滅するしかない」はまだ結果がでていません。

 2007年版の第1章「激変する日本の政治体制」では、安倍内閣が2007年4月の統一地方選挙、7月の参議院選挙を「憲法改正」「教育改革」の基本方針を掲げ、若者を中心とした有権者の圧倒的な支持を勝ち得るとあります。
 しかし、野党は格差やホワイトカラー・エグゼンプションを取り上げるでしょうから、ちょっと難しいような気がします。

 第2章「米国主導の世界経済/日本が牽引する株式変動」では、世界は政治力、経済力、軍事力の点で米国に対抗できる国も地域も全く存在せず、今後数十年間、米国に匹敵する国は出現しないという、従来からの原則を述べ、さらに今回は産業構造が「軽薄短小」から「重厚長大」へ変わるとの見解を示しています。

 「重厚長大」とは例えば、バルト海などの海底パイプライン、シチリア島・イタリア間などのつり橋、ドバイなどの海底トンネル、原子力発電所、火力発電所、LNG基地、石油精製所などです。

 確かに、消費財は世界的に競争が激しいのに比べて、「重厚長大」分野は競争が少なく、技術力のある日本企業に有利というのは理解できます。

 第5章「消える東アジア最後の「冷戦」/世界に貢献する日本」では、東アジアの冷戦はまもなく終わるとしています。中国は自ら体制を変革しないかぎりこれ以上の成長発展は望めないということです。

 中国経済の問題は、巨大な不良債権、大都市と農村の間の極端な生活水準の格差、汚職・収賄、環境汚染と数多くあります。今の体制のままで臨機応変に自由主義経済の競争原理に対応していけるはずはなく、冷戦が終わるのは時間の問題だということです。その結果、北朝鮮の独裁政権も解体・崩壊となります。ただし時期は不明です。

 これら以外で面白かったのは、「BRICs論を鵜呑みしてはならない」という部分です。BRICs論はゴールドマン・サックスによるもので、2039年になると、BRICsのGDPが先進5カ国(米・日・独・仏・伊)のGDPを上回るというものです。この予測は現在の成長がそのまま継続することと、エネルギー資源確保、政治体制、為替レートなどに問題が生じないことを前提としています。

 これらの国々についての知識が少ないがゆえに、つい信じてしまいがちですが、こんな前提があるのなら、数年後に予測が外れ始め、そのうちBRICs論そのものがなくなってしまうような気がします。

 さて2007年はどうなるでしょうか。

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