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2006.11.25

学生実習制度は下放? これで教育改革などできるわけがない

 日経BPで連載している、「田中秀征の一言啓上」で、田中氏が学生実習制度の導入を、教育再生の1つの決め手と主張しています。
 教育改革は、管理の強化より学生実習制度の導入から始めよ(nikkeibp)

『私が提唱した学生実習は、農林(水産も含む)実習、福祉実習、海外実習の3つだ。高校生や大学生が3カ月なり6カ月、それぞれの実習先に泊り込んで無償労働を行う。それを学校が正式科目として所定の単位を与える。』

 なぜこれで教育改革になるのかさっぱり理解できません。
 日本がこれから国を挙げて農業に力を入れていくのならまだわかりますが、付加価値の高い産業の人材が求められているのに、農林、水産、福祉の実習をさせる意味がわかりません。

 学生の立場で考えると、将来、たいして役に立たず、きつい農作業など、やりたくありません。強制されれば反発もするでしょう。

 田中氏の考えは、甘っちょろい若いやつを肉体労働で鍛えれば少しはしっかりするだろう、といった考えにもとづいていると思います。年寄りが若いやつは軍隊に入れればいいんだと言うのと同じです。

 あるいはこれは「下放」そのものかもしれません。
 「下放」とは、

『中国、文化大革命期において毛沢東の指導により行われた思想政策。青年層が地方の農村で働き、肉体労働を通じて思想改造をしながら社会主義国家建設に協力することをその目的とした。この下放によって、多くの青年層が教育の機会を失い、中国の教育システムは崩壊したとされる。また、下放によって中国はその経済発展と社会醸成を大きく停滞させた。(はてなキーワードより)』

 教育に問題があるのなら、何が問題なのかしっかり定義して、それを確実に改善できるよう、目標とスケジュールを設定して実行すべきです。その手順が全く示されていません。

 田中氏は「管理することで教育は再生できない」と言っていますが、きちんとした目標と、評価基準を与えなければ、生徒も教師も、いったい何を基準に、何を目指してがんばればいいのかわかりません。管理せずに地方で肉体労働させるだけでほったらかし、あとは「漢方薬のように意外な効果が出てくると信じている。」なんて、あまりにも無責任です。

 機能している組織、企業はどこもきちんと管理をやっています。教育だから管理しなくていいなどというのは信じられません。面倒な管理をやりたくない怠け者が言い訳しているようにしか聞こえませんよ。

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コメント

 お久しぶり。
 田中は森内閣の教育改革国民会議と全く同じことを言ってますな。現代の教育の何が問題で、どこを改善しなくてはいけないのかという、重要な部分を無視して(知らないし、調べる気もない)、いきなり結論にたどり着く。
 大学にだって実習はありますが、それは各学科の履修内容と密接に関係があり、実習前の準備教育、実習後の総括や反省会などを通して、教室での学習に結びつける努力がなされています。
 自分の進路希望や専攻と全く関係なしに、いきなり福祉現場なんかに放り込まれたら、本人も可哀想だが、それ以上に、福祉の世話になっている弱者が気の毒じゃありませんか。
 おそらく、学生は徹底的にさぼりますよ。戦時中の学生勤労奉仕だって、無償労働なんかバカバカしくてやってられないので、学生たちは監督者の目を盗んでさぼってばかりいて、能率は全く上がらなかったのだから。

投稿: Inoue | 2006.11.29 17:45

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