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2006.04.10

量的緩和解除で世界の金利が上昇し破綻する?

 日経BPのSAFETY JAPANで、経営コンサルタントの吉田繁治氏が、量的緩和解除後の金融情勢を解説しています。
 金融の潮流が変わった!量的規制緩和解除は何をもたらすか(2)~金利上昇は避けられないのか~

 かなり長文ですが、だいたいこんな内容です。

・世界の金融資産は1京3800兆円ある。
・GDPの伸びに比べて、金融資産の伸びが高すぎる。
・資産の裏には負債がある。
・2%の金利上昇で利払いが276兆円も増える。
・現在の負債は低金利を前提にしている。
・量的緩和解除は、重要な意味をもつ政策転換である。
・世界の金利が同時に上がっている。
・長期金利は5%~7%が普通である。
・たった3%の金利上昇で、世界の金融の破綻が起こる。
・破綻とは、金利を払えない人が増え、貸した金融機関が破綻すること。
・今のうちに短期負債を、まだ十分低い長期の固定金利に変え、リスクヘッジすべき。

『92年に日本の地価が下がり始めたとき、「まだまだ上がる」と考えた人たちが過半数でした。目の前で起こっている現象を解釈できなかったからです。94年ころになってやっと「この地価の下落は、今までと違う。何か大変なことが起こっている」と皆が思い始めます。』
『膨らみすぎた負債で、金利が上がればどうなるか。言うまでもありますまい。金融資産そのものは、単に数字です。金融資産の価値をきめるのは、借り手の利払い能力だからです。わが国では、100兆円の不良債権処理で経験済みでしょう。』

 最近の金利上昇で、「やっぱり金利は上がる、それみたことか」と、破綻論を展開しています。それぞれの現象や数字の認識は正しいと思いますが、本当に金利が上がるのかどうかについては、過去のデータ・経験しか説明がありません。また、

『ファンドマネジャーは、「金利が上がる気配があれば、日銀がまた、ロンバート型貸し出し(国債担保による公定歩合(今0.1%)で貸すだろう」と安心しています。怖いのは意識の「茹で蛙」現象です。』

と、市場参加者の意識についても批判しています。さらに、

『低金利の10年は、いたるところに、金融リスクをバラまいてしまっているのです。例えばソフトバンクなど、今もっとも大きな負債リスクの会社になっています。私は、すでに、ジャンク債(ボロ債券)の水準と判断しています。世界における大規模な買収は、いずれも、買収に使う資金の低金利を前提にしたものです。株式交換も株高を背景にしたものです。』

と、世界中の会社に対して、低金利を利用して業績を上げようとする企業活動を批判しています。

 果たして、そこまで言い切れるほど確実に金利が高くなるのでしょうか。そして、万が一3%上がった場合に対応がとれないほど世界経済は弱いのでしょうか。

 私は上がらないと予想していますし、もし上がったとするならばそれなりの理由があるので、それにうまく対処できるように世界が動くことができると思います。

 金利が上がって困るのなら上がらないような政策を打つでしょう。それでも上昇が抑えられないのであれば、上がっても困らないような仕組みに世の中が変わっていくはずです。

 吉田氏は「認識は2年遅れる」と言っていますので、2年後にどちらが正しかったかがわかります。2年後に振り返って見たいと思います。

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コメント

TBありがとうございました。ご指摘のように金利が上がる場合には、それなりの理由があり、そこを抜きにして単純に上がった場合のシナリオを想定してもあまり意味はないと思います。中央銀行の利上げも、気まぐれなものではなく、基本的には「景気回復→インフレ圧力の増大」という判断があります。仮にこの判断が間違って景気が悪くなると、市場金利は低下することになります。ご紹介の方の意見はかなり変わっていますね(笑)。

投稿: 本石町日記 | 2006.04.11 20:59

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