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2005.10.16

立花氏が自民党の共産党化を危惧

 「立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」」の今回の内容は、いままでのレベルを超えて、論点がバラバラなものになっています。
小泉強権政治がもたらす「自由」と「民主」の末路(nikkeibp)

 まず1番目は、前回に引き続き、ポスト小泉についてあれこれ論じています。「文芸春秋」を読み、竹中平蔵氏もありうると分析しています。

 2番目は、小選挙区制ではスケールの小さな政治家しか残らない、重複立候補ではどんな不人気候補でも当選してしまうと、選挙制度の批判をしています。

 3番目は、公認権を握る党の総裁の権力が絶対化していると批判しています。
 しかし、その総裁は党の選挙で選ばれるのだし、別の党に行く方法もあるし、議員は直接国民によって選ばれるのですから、総裁の権力が絶対化するとは言えないはずです。

 そして最後は、「週刊現代」を読んで、日本は専制国家になりつつあると批判しています。タイトルの「小泉強権政治がもたらす「自由」と「民主」の末路」とはこの部分を指しているものと思われます。

『小泉首相が演説を一区切りするたびに、議席の前面にズラリとならんだ小泉チルドレンたちが一斉に手を叩くのだが、それが、かつてのソ連や東欧諸国、現在の北朝鮮など、専制主義国家(共産主義国家)の国会にあたる最高人民会議の光景とあまりにもそっくりなので、気味が悪くなったのである。』

 中国を擁護している立花氏が、現在の北朝鮮を専制主義国家=共産主義国家として批判するのは意外です。
 そしてこの共産主義批判をエスカレートさせています。
・専制国家においては、党中央に対する反逆はいっさい許さない
・反逆者に対しては、政治的自由を奪う
・場合によっては、処刑する
・恐怖心をあおるために、その処刑を公開の場で行う
・以上のことを積み重ねる
 さらに、

『日本においても、それらの専制主義国家の党と友好関係にあった日本共産党においては、党内権力闘争の過程で何度も何度も同じことが繰り返された。党中央に対する反逆を理由として、政治的実力はあるのに、党中央と意見を異にした政治家たちの政治生命が次々に奪われ、やがて、みんな党中央に従順になるとともに、党の活気が失われ、共産党全体が政党として凋落していった。』

と、日本共産党をも批判しています。立花氏は大丈夫なんでしょうか。粛清されないか心配です。

 そして、小泉首相もこれらの国々、組織と同じであり、同様に滅びるだろうと予言しています。

『小泉首相がこの政変でやったことは、自民党に共産党と同じ組織原則を押しつけることだった。党中央に対する反逆者は絶対に許さず、その命(政治生命)を奪うということである。健全な政治は、政治的な自由(政治的言論の自由。政治的行動の自由)が保証された社会でしか育たない。権力者が強権によって政敵を圧殺することが許されている社会は、いずれ、その強権政治の故に滅びる。』

 先日の解散総選挙では、単純に自民党が分裂し、多数派が意見の合わない少数派を追い出しただけでしょう。独裁ではないのですから、追い出された人が集まって新しい党を作り、国民の支持を集めれば政権を取れます。立花氏はそういうプロセスを無視しています。

 今回は珍しく、過去のことを言うのではなく、現在の共産党に似ているとして小泉首相を批判しています。歴史を出せばあまり勉強しなかった普通の人々はなんとなく納得してしまうのでしょうが、それがないと、「自民党の共産党化」と言って納得させるのはちょっと難しいでしょう。

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コメント

立花氏の過去の仕事(利根川進さんとの共書とか)はとても評価してますが、最近の仕事はあまり感心できません。内容に決めつけ、荒っぽさが目立ちます。こんな巨匠でも、今お金に困っているのかもしれません?

昔はじっくり時間をかけて取材・分析してたのに、最近はお金のために、サササッと書いちゃうんだろうな...

投稿: BOO | 2005.10.23 20:20

 立花本人は口が裂けてもカミングアウトできないでしょうが、彼は言論界にデビューした当時から今日に至るまで、日を追うごとに 「世界というものを理解できなくなってゆく」自分に直面した「当惑」を抱えているのではないでしょうか。
 彼は、像の尻尾のみに触れて、「像とは ほうきのような生き物である」と断言してしまう盲人のようです。
 田中金脈派閥政治 共産党や極左グループ、ベトナム戦争などの「尻尾」に触って自らの世界観とし その後は安易に、「像の」足跡や餌場 墓場までひっくり返して歩いているようですが、「ほうき」のような生物との関連についての説明に四苦八苦するばかり。
 無理に無理を重ねて今日の惨状を招いているのでしょう。
 彼が「世界の真の姿」に気付く時は、果たしてやってくるのでしょうか。

投稿: 案山子 | 2005.10.16 23:11

かつては立花隆のルポルタージュを楽しく読んでいて、今は別の意味で立花の連載を楽しんでます。

>小選挙区制度になってから、政治家の質の低下がいちぢるしい。(中略)この一点だけをとっても、私は小選挙区制度は失敗だったと思っている。早く中選挙区制度に戻さないと、候補者のスケールは元に戻らないと思う。

 そうか?英国は小選挙区制一本だし、大統領への登竜門である米国上院も、州2人しか定員がないから小選挙区に近いが、政治家のスケールが小さいということはないよ。
 立花の連載は、「思い込み」「風聞」「過去の先例との比較」だけで成り立っていて、アカデミズムのかけらもない。
 立花はかつてロッキード裁判批判に法学を学習しながら論理的に答えていたのに、今は横着して政治学の基本文献を読み直すということすらしなくなったのでしょう。

投稿: Inoue | 2005.10.16 09:20

 総裁の権力強化は、小さな政府を実現させる為に、自民・民主の両党でも論じられていたと思いますが。

 それに2大政党の実現の為に、小選挙制を推進したのは誰だったか、お忘れになっているようです。

 立花氏は取材もせずに、週刊誌を飛ばし読みするだけで、記事を書いているようですね。
 そもそも、インターネットの相関性を全く利用としない姿勢に、氏の独善性とジャーナリストの限界を感じます。

投稿: | 2005.10.16 03:02

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