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2005.10.17

立花氏が07年の財政破綻を予想

 「立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」」の今回は、苦手な財政・経済面で小泉批判をし、珍しく過去を持ち出さない内容になっています。
新・世界一の借金王 小泉デフレ政権の正体(nikkeibp)

 まず、年金改革、医療改革、三位一体改革、財政改革などが何ひとつ実現していないとまっとうな批判をしています。
 さらに、プライマリー・バランス(基礎的財政収支)の目標ですら、2010年という先にされてしまっており、小泉首相は消費税増税という根本問題から一貫して逃げてきたと、厳しく批判しています。財政という最も難しい部分をターゲットとする作戦のようです。

しかし、具体的な数字になると、とたんにあやしくなってきます。

『年金会計の政府支払部分が、すでに40兆円を突破しており、歳入の主要部分である国税収入(45兆5900億円)とはほぼ等しいところまできてしまっているのだ。』

 財務省の「日本の財政を考える」(平成17年3月)によると、税収は44兆円、社会保障費は20兆円です。40兆円という数字はどこから出てきたのでしょうか。ひょっとしたら、国が支払う年金総額ではないでしょうか。そうだとすると国民年金・厚生年金の部分があるので、比較になりません。

『小泉首相が首相をしてきたこの4年間に、小泉首相は財政赤字を540兆円から796兆円にふくれあがらせ、その間に発行した国債が250兆円にも及び、小渕時代の「世界一の借金王」の3倍は軽々と突破しているのである。』

 財務省の「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」によると、平成13年3月末で538兆円、平成17年6月末で796兆円となっており、確かに250兆円増えています。
 でも、何か変です。「日本の財政を考える」をみると、国債費が18兆円、国債発行額が34兆円ですから、残高700兆円の金利を2パーセントとして加えても34-18+700x0.02=30兆円で、4年間でも120兆円しか増えていないはずです。

 もしかしたらこれは、年金・郵貯の預託金制度廃止による影響ではないでしょうか。
 現在、財政投融資改革を行っており、預託金の払い戻しをしているはずです。これについての詳しい解説記事は見つけることができませんでしたが、それらしき情報は財務省サイトにあります。
 財政投融資リポート2004 3.進化する財政投融資

 そして最後は聞いたことがない「07年危機」が来て財政が破綻すると予測しています。

『~小泉首相はもしかしたら、この危機的状況を誰よりもよく認識しているのかもしれない。それを認識しているからこそ、「あと1年で絶対にやめる」をきっぱり断言しつづけているのかもしれない。1年以上つづけたら、大破綻が必至(いわゆる07年危機による破綻の到来)だ~』

 間違った数字で批判するなら説得力がないし、全体の信頼性もなくなってしまいます。小泉内閣は財政出動をほとんどせずに経済を活性化したということで評価されているはずですから、破綻必至と主張するならそれなりの数字の裏づけをきちんと示すべきではないでしょうか。

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コメント

 これも面白く拝見しました!
 特に面白かったのは、根拠のない「07年危機」でした。 これだとノストラダムスの19「99年危機」(恐怖の大王!?だったか)と同じですね!

投稿: Gくん | 2006.01.19 00:33

すいません、URLが違っていました。

投稿: わんだぁ | 2005.11.10 01:24

こんばんは。はじめまして。立花隆氏は現在生きている人の中では、日本最高の頭脳の一人と思いますし、私も尊敬いたしております。氏は、スタートはジャーナリストでしたが、今では哲学者ですね。氏の弱点は、経済に対してはイマイチ説得力がないし、国家破綻を本格的に論じたのも見たことがない。直感的な切り口という面では、浅井隆とたいして変わらないような気がします。

投稿: わんだぁ | 2005.11.10 01:21

財政赤字の拡大を「年金・郵貯の預託金制度廃止」によるものだからということにしているようですが、
実際問題3年後に預託金を全額返還し終わるまでこれが膨れ上がるのは確実ですね。
その後償還された郵貯としても確実な資金の運用先を探す必要がありますが、
元本保証確実の金融商品といえば国債くらいしかありません。
結局はそれを財投に近い規模で借り続けるといわれてます。
(まあもとはいえば財投じたいが隠れた借金でしたから見えるようになっただけのことですが)
さらに「07年危機」とは団塊世代が大量に定年を迎える問題です。
退職金の引き当てや人員補充の必要が生じます。
この局面がおそらくはベビーブーマーの年数分続き、年金負担者が減ることもあらわしています。

数年先だけをあげても、これだけ財政を圧迫する不安定要因が存在することは考慮されてみてもよさそうです。

投稿: ジェイミーちゃん | 2005.10.20 01:03

 立花の見通しが現実になる事は有り得ません。彼が日本 アメリカに投げつけている批判や暗い未来像は、日本人への「警鐘」を装ってはいますが 実態は日米両国民に対する特に日本人に対する「悪意」以外の何物でもありません。ヒトラーが自殺する直前「ドイツ国民は私に値しない」と八つ当たりしたような心情に近いのではないかと思っています。
 彼の思い描く日米の崩壊に近い暗い未来予測の公表は、いよいよ間近に迫った中国崩壊への不安という本能的直感から来る 彼個人特有の異常行動でしょう。
 地震発生前の動物のように磁場の変化を感じたとでもいうのか、げたの鼻緒が切れて身近な愛する人の異変を感じ取ったとでも表現すればよいのか、ともかく彼の日本国民への八つ当たりは 小泉の靖国参拝でヒートアップする事間違い無しですね。迷惑な話です。 

投稿: 案山子 | 2005.10.17 16:40

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