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2005.09.10

郵貯・簡保民営化と国債の関係

 日経BPのSAFETY JAPAN 2005に、経営コンサルタントの吉田繁治氏による郵政民営化解散に関する論考記事があります。その第2回
10年遅すぎた郵貯・簡保の民営化
では、郵貯・簡保の民営化論は、金融論の視野で見なければならないと力説しています。

 しかし最初からちょっと首をかしげる点が続きます。
 まず、日本の金融市場では、国債マーケットが突出していることを説明しています。株式市場が、年間売買額400兆円~500兆円で平均手持ち期間300日と小さく安定しているのに対し、国債市場は年間売買額5000兆円で平均手もち期間36日であることから、国債は不安定であるとしています。

 でも、実感としては逆です。国債価格はずっと安定しており、株式のほうが急騰しています。国債は価格変動が少ないがゆえに売買額が大きいのではないでしょうか。それに、ひんぱんに売買されるなら、逆に安定していると言えないでしょうか。

 また、郵貯・簡保が売ることを表明すれば、金融市場は、損失を恐れ、われ先に投売りすると言っています。でもそれは今でも銀行ができることだと思います。

 これ以降は、いろいろと話が飛びます。結論は、郵貯・簡保の民営化は10年遅かったということのようです。だったら今どうすべきかについては提案がありません。

 郵貯・簡保はリスクの大きい国債・財投債を300兆円も抱えており、ちょっと金利があがっただけでも債務超過になってしまうよという警告なのかもしれません。でもそんなことはみんな知っています。

 民間に回すお金を捻出するには、国債・財投債を売却しなければならないが、そうすると国債価格が下がるので売却できず、民間には回らないということかもしれません。でもそれもみんな知っています。

『世界最大の額の日本国債の、最も大きな引き受け手が、その国債を売りに出せば、資金市場はどうなるか? ほぼ一夜で金利が上がり、低利の国債が下落します。手持ちの数兆円の超低利の国債を、1日20兆円の売買規模の国債市場で運用するマネジャーの側に立てば、このことはすぐ了解できるはずです。』

 300兆をいきなり売ればそうでしょう。でも、そんなことがあるのでしょうか。逆に、20兆までならすぐに買い手が現れるという安定した市場なのではないでしょうか。

 銀行が一気に国債を売りに出しても話は同じです。

『国会答弁を聞けば、小泉首相は金融市場について基本知識がないように思えます。』

 ここまで言えるほど新しい指摘があるとは思えません。なんだか郵政民営化とはあまり関係のない話のような気がします。

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コメント

 当分の間は国が大株主であるので、国債は売らないはずです。もし売るとすれば、預金者の払い戻しがあった場合くらいでしょう。たくさんの預金者が安心して大金を預けている状況ですから、急に払い戻しが増えることもないでしょうし、払い戻し金で国債が買われるのであれば、その部分は問題になりません。

 将来、国が株式を完全に売却した場合、国債以外への投資がどれくらい増えるかは郵政会社の方針なのでよくわかりませんが、仮に郵政会社がある程度国債を売ると表明した場合でも、金利が上がるので民間の余剰資金がどっと出てきて買い、再び金利が下がるのではないでしょうか。

 外国のヘッジファンドが空売りを仕掛ける可能性もあるでしょう。しかし、売り崩せるほどに資金が潤沢にあるのか疑問です。アジアの国と違って日本の経済規模は巨大です。

 今後、政府が信用できなくなったり、輸出競争力がなくなって円安傾向が定着するようになったり、預金者が預金以外の運用に目覚めたりすれば、それらの程度に応じて郵便局や銀行からお金をおろして株を買ったり、ドルに替えるようになり、少しずつ金利が上がっていくのだと思います。

 つまり、あっという間に暴落するなどということは起こらないと思います。さらに、金利の上昇も非常に緩やかではないかと予想しています。

投稿: ゆうくん | 2005.09.25 23:00

はじめまして。よろしくお願いします。

「銀行が一気に国債を売りに出しても話は同じです。」

BIS規制があるから売らない気持ちが強く働いているんじゃないですかね?

「300兆をいきなり売ればそうでしょう。でも、そんなことがあるのでしょうか。」

新しい(民営化後の)郵貯の経営陣がちょっと売りの気配を見せただけでも、連鎖的に暴落する可能性があるということじゃないでしょうか?
売り気配=損するかもしれない資産といメッセージがでちゃうんじゃないですか?
外国投資家の日本という国と国債に対する評価はとても低いですから。(発展途上国なみと格付けされてます。)
それに日本国民は外人投資家の動向や外資格付け会社で自国の金融資産の査定をしますからね。
97年のアジア金融危機の外人投資家の動向を見てると、あっという間でしたよね。
国債だけでなく、総合的な「日本名柄売り」とかもおきちゃうかもしれないということのようにも思えますが、、、。
それにつられて、日本人も個人資産をはたいて国債を買い支えるなんてしないでしょうし。


投稿: | 2005.09.24 14:38

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