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2005.08.19

郵便貯金口座数のふしぎ

 郵貯・簡保のお金は350兆円あり、外資が狙っているなどと表現されることがよくあります。
 猪瀬直樹ホームページのメールマガジンバックナンバーにある、
「口座数五億六千四百万の郵貯の異常性」(2月24日)
によると、その内訳は郵貯は230兆円、簡保は120兆円だそうです。これはものすごい数字で、230兆=1000万×2300万ですから、2300万人が限度額まで貯金している計算になります。本当にみんなそんなに貯金があって、郵便局に預けているのでしょうか。いくらなんでも多すぎるような気がします。

 そこで、名寄せはどうなっているのか「郵貯 名寄せ」で検索してみると、

郵便貯金の口座数等について

という郵政公社の説明ページがトップに表示されました。これによると、
・平成16年3月末現在の「口座数等」は約5億6千万。ただしこれは通帳の数であり、預金者の数ではない。
・口座開設時には本人確認を行っており、架空口座の開設はできない。
・コンピュータによる名寄せを行っており、限度額の1000万を超えている場合は払戻しを要請している。要請に応じてもらえない場合は、順次、払い戻して国債を購入する。
・平成16年2月からは、限度額を超えないように自動的にチェックを行っている。

ということです。これらから、
・預金者数は公表していない
・過去の本人確認の状況は公表していない
・名寄せ作業の進捗度は公表していない

ということがわかります。再び猪瀬氏の「口座数五億六千四百万の郵貯の異常性」によると、

『総預金者数を教えていただきたい、とさらに訊ねた。すると──。「把握しておりません」これで名寄せできるわけがない。「なにしろ規模が世界一ですから」と困惑気味に答えるのだった。』

 わからないのか、わざと公表していないのか不明ですが、わからないのなら、事務処理能力を疑います。わざと公表していないのなら不誠実です。どちらでも問題です。
 このような状況を改めるためにも民営化は必須でしょう。

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コメント

郵政民営化は結局のところ目的は何だったのですか?民間に流れる?本当にそうなるのでしょうか?私はそうは思いません。いまさら民営化に反対しても仕方ないですが、冷静に判断すれば郵便貯金の民営化とは、国からすれば郵貯に対する負債210兆円と、国債210兆円のDebt-Debt Swapです。郵政民営化は我々庶民からすれば、国債約210兆円をそのまま国民ひとりひとりに負わせただけです。預けた金が国債に変わっていて(郵便貯金に預けた瞬間、借金が人より増えている)、実は公的部門(特殊法人=財投債¬財投機関債)にお金を流しているだけだと知ったら、官業を生き残らせているだけとして普通の人は怒ると思うのですが。もし仮に郵便貯金の大量解約が起きれば、国債暴落は十分に起きうることです。国は郵便貯金のリスクをそのまま民間に背負わせただけです。しかも、郵政選挙ではそんな情報は知れ渡っていなかった(私はもちろん知っていたし小泉には投票しなかった)。

投稿: ラモン | 2007.10.16 16:00

こんにちは。
横槍コメントですが,

休眠口座も多いんじゃないでしょうか?我が家でも3口座が休眠しています。現役は1口座ですが,残高は10万円未満です。

投稿: hiropy | 2005.08.21 15:37

 Inoueさんへ
 
 先の私のコメントでは、 郵政民営化の主な目的について述べたつもりです。どれをとっても 実現する事は容易ではありません。
 だからこそ民営化が必要なのではないでしょうか。経営陣が経営者生命や個人資産を賭けて遮二無二努力すること無しには目的の一部の達成さえ覚束ないでしょう。
 まして 「民営化しなくてもできる」などという生半可なことだとは思えません。つまり 政治家や官僚が法律を小手先でいじり 官僚の推薦や政治家の任命でやってくる総裁に何が出来るというのでしょう。

 そして この物言いは 誠実で生真面目な方には、お気に召さないでしょうが 「郵政民営化」は改革の象徴であり また地球規模の経済活動を視野に入れた世界に対するメッセージでもあるのです。
 財政赤字は歳出の削減だけではなく景気の上昇とのセットでなければ解消出来ないことが常識であるように 「改革」と呼ばれるものでも 世界経済の大きな流れに逆らうものであってはならないということではないでしょうか。 

投稿: 案山子 | 2005.08.20 13:06

>340兆円を民間に開放する事で企業の資本調達を間接金融から直接金融へシフトしてゆく。

 その点は菅直人が竹中との対談で盛んに反論している点ですが、民営化しても、それだけでは資金はほとんど民間には流れないんです。融資審査能力がないから。これは竹中氏ですら認めてます。
 十分な審査能力を付与しようとすると、数千人という単位で融資審査担当者を雇わねばならず、郵政公社は逆に肥大化しかねません。銀行実務経験者ばかりですから高給が必要です。
 融資担当者を雇わずに国債以外での運用をするとすれば、私たち一般人が投信に金を預けるように丸ごと委託しなくてはなりません。しかし、これなら民営化しなくてもできてしまう。
 結局のところ、今の人員とシステムで郵便貯金を小さくしていくには、名寄せと限度額の縮小という民主党案がもっとも現実的ではないかと思います。ま、限度額を超えた部分は引き出しがなければ自動的に国債に振り替えるんですが、処分は自由ですし、郵政公社が運用するよりはマシでしょう。

投稿: Inoue | 2005.08.20 09:25

民営化について複雑に考える必要は無いと思います。
 12万人の人員で可能な郵便事業を38万人で行っている現実を改革するのであり、この膨大な公務員を民間人とすることで年金の一元化につなげ、340兆円を民間に開放する事で企業の資本調達を間接金融から直接金融へシフトしてゆく。
 そして何より重要なことは、株式会社になるということが 経営者の責任の明確化につながるという事です。民間企業は赤字を出せないという事ではないでしょうか。経営者の責任が厳格に問われ 公務員のように責任の所在があいまいになる事がなくなるということでしょう。「すべての改革の入り口」とは 言いえて妙だと思います。

投稿: 案山子 | 2005.08.20 06:43

 また、本人確認の厳格化は単なる法令順守ということですから、民営化とは関係がありません。
 猪瀬氏の指摘している事実は、ひとつひとつはおそらく正しいのだけれど、そこから「道路公団民営化」とか「優勢民営化」を導くところに強引さを感じてしまいます。 

投稿: Inoue | 2005.08.19 22:26

 その97,8%の根拠がわからないんです。銀行は複数ありますから、単に口座数だけでは架空口座の数はわかりません。銀行だって預金がほしい、口座数が増えた方が支店の営業成績にもなります。

投稿: Inoue | 2005.08.19 22:23

「口座数五億六千四百万の郵貯の異常性」によると、銀行の名寄せ率は97、98パーセント、郵便貯金はそれにはるかに及ばないとみられているそうです。民営化すれば普通の銀行となり、金融庁が監督しますので、銀行の名寄せ率に近づくはずです。

投稿: ゆうくん | 2005.08.19 21:28

 結論だけは承服できない。民営化するとどうして名寄せを実行できるんでしょうか。銀行にだって架空名義口座はあるでしょう。だからこそ、破綻した場合にペイオフがすぐにできないのです。やっぱり名寄せが必要。

投稿: Inoue | 2005.08.19 19:45

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