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2005.01.23

Thin Clientは失敗する2

zep716氏にいろいろと批評(「Thin Clientは失敗する」を読んで。)をいただきましたので、追加で考えられる理由をできるだけ書いてみました。

Thin Clientの定義がはっきりしないので、あいまいになってしまう部分はありますが、Windows XPのPCにできてThin Clientにできなさそうなものを具体的に挙げると、

1.重い処理、大量のデータ処理が必要なもの
ビデオ再生・編集、テレビアプリ、CD/DVD作成・編集、詳細なフォトレタッチなど

Webサーバーの処理能力が無限大になっても、ギガ単位のデータをサーバー・クライアント間でやりとりするのは非効率です。それは10年たっても変わらないと思います。また、ネットワークの性能向上は比較的ゆっくりだと思います。

2.入出力装置を接続する場合(接続には各メーカーが供給するドライバが必要です)
プリンタ、スキャナ、USBメモリ、USBハードディスク、USBフロッピィ、タブレット、USBカメラ、DVカメラなど

3.拡張カードを使う場合

4.汎用装置として使う場合
新しい装置・システムを開発する場合、とりあえずUSBなどでPCとつなげられるようにしておいて改良することがよくあります。

Thin Clientへ移行する際のその他の問題点としては、

1.ライセンスの問題
Windows XPだといろいろな技術に対してPCベンダーがロイヤリティを払う必要はないが、その他のOSだとそうはいかない、とマイクロソフトの人が言っていた記事を読んだことがあります。(探したけれど見つかりませんでした)

2.コストの問題
Windows XPのPCは標準化されて極限まで安くなっています。Thin Clientには、安いCPUを使いHDなどを削除することによるコストダウン分があると同時に、特注・少量生産品というコストアップ分もあると思います。
Thin Clientというからには、Windows XPのPCより相当安いイメージがあります。そうでなければ、なぜ機能が低いものをわざわざ導入するのか説明が必要です。


ユーザーが乗り換えを決断するには、今までより便利で、今までできたことは全部できて、今までのハード・ソフトの資産ができるだけそのまま動いて、それでいて今までより安い必要があります。
ここまできて初めて興味を持ち、さらに今でも十分使える装置を捨てて新しい装置に乗り換えるためのインセンティブがあって初めて買い替えるのです。

Thin Clientがなぜお得なのか、現状では提示できていないのに、日立が自ら犠牲となって証明しようとしているので注目しています。ただし、
・あまり重い処理はしない
・定型業務のみに使い、新しい使い方を試したりしない
・価格にはあまりこだわらない
・個人情報を扱うなど特殊な事情がある
という状況に限れば、うまくいく可能性はあると思います。

しかし、それが会社全体や、家庭にまで広まるとは全く想像ができません。

世の中には何とかしてWindowsをやめたいという人がたくさんいるようで、
・Web側へのパワーシフトのトレンド
・Windows XPが3年以上もメジャーバージョンアップせずに停滞していること
・個人情報保護法の全面施行
といった状況に乗じて、Thin Clientを復活させたいのだと思います。

一般のユーザーは理念では動かず損得で動きますので、家庭には普及する理由が見当たりません。家庭ではWindows PC、会社でThin Clientを使うという状況も考えにくいです。

結局、Windowsで十分じゃないかということになり、全く使えないわけではないThin Clientは少数派であるがゆえに排除されてしまい、最後は「失敗だった」ということになると思います。

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コメント

意地でもThinClientは認められないようですね。

> 一般のユーザーは理念では動かず損得で動きますので、家庭には普及する理由が見当たりません。

これは全くその通り。家庭にThin Clientが普及する理由はありません。
強いてあげれば、携帯電話の機能Upが進んで、
PCの必要がなくなる可能性はあると思っています。

> 家庭ではWindows PC、会社でThin Clientを使うという状況も考えにくいです。

いえいえ、十分に考えられますよ。

> Thin Clientがなぜお得なのか、現状では提示できていないのに、

だから、提示できてますって。

> 2.コストの問題
> そうでなければ、なぜ機能が低いものをわざわざ導入するのか説明が必要です。

ならば説明してあげましょう。
「コスト」とありますが、企業においてPCを「所有して使う」するコストは、
ハードウェアやライセンスの費用だけではありません。
(貴殿の意見にはこの視点が決定的に欠けています)
実際は、そのような「購入する」費用よりも、「維持・管理」するための
人件費のほうが圧倒的に高コストなのです。
ソフトをインストールし、バージョンアップし、トラブルに対応し、
ウィルスの対策は怠りなく、バックアップも。。。etc
少しでもまともなコスト計算をしている企業(日立を含む)ならば、
このことにはとっくの昔に気づいています。
それらのコストを削減するのが、ThinClientと言うわけなのです。

> 1.重い処理、大量のデータ処理が必要なもの

企業のPC全体の、どれくらいの割合が「主処理・大量データ処理」が
必要なのでしょう?
ほんの一部のエンジニアリングやデザインの用途だけではないでしょうか?
それら「ほんの一部」まで「ThinClientにすべき」とは思いません。
圧倒的多数の、「メールとWebとクラサバ業務アプリ」だけをこなすPCであれば、
十分にThinClientでも果たせます。

私が何度も言うように、ThinClientは別段新しい技術ではありません。
すでに多く導入され、十分な効果が認められたシステムなのです。

投稿: ハリ・セるダン | 2005.01.25 01:26

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